クルド家庭料理
先週の土曜日、池袋での読書会に参加する前、なぜか京浜東北線・東十条で降りた。和菓子店草月で黒松(どら焼き)を買うためである。ほんとうは池袋のすずめやに行きたかったのだけれど、日曜・祝日は定休日なのであきらめた(土曜日だったけれど、秋分の日で祝日。くやしい)。草月はとても賑わっていて、お彼岸なので、おはぎを買い求める人も多かった。「研修中」の札をつけた初々しく、かわいらしい店員さんが接客してくれた。かわいい店員さんに接客してもらうと、なんだかうれしい。草月は「東京 どら焼き」で検索すると必ず出てくる有名店なのに(少なくともどら焼き好きのあいだでは)、黒松はひとつたったの100円(税別)。実に良心的なお値段である。迷わず5つ買った。自分のと母のと娘2人の分(ダンナはどら焼きは食べない)。ん? ひとつ余る? ま、いいか。
読書会に遅刻したら本末転倒なので、時間もさほどないことだし、お昼は適当に済ませるつもりだった。何なら立ち食いそばでもいいかなと考えていた。池袋へ向かうには十条から埼京線に乗ったほうがいいので、東十条から十条まで歩いていると、パレスチナ料理のお店があった。しかし、時間がないので、また今度!と横目で見ながら、十条へと急ぐ。十条に着いた!と思って、横を見ると、こんな看板が……。
えっ? クルド家庭料理? どんなのだろう?
気がついたら、階段を上っていた……。
入ってみると、中はあまり広くなく、先客が2〜3組。すぐにメニューを持ってきてくれた。ランチセットはナスのひき肉詰め、サヤインゲンと牛肉のトマト煮、オクラとひき肉のトマト煮の3種類。オクラとひき肉のトマト煮を注文した。時計を見た。料理が出るまで時間がかかったら、読書会に間に合わないかも……。そんな不安を払拭するかのように、それほど待たずに料理が出てきた。
一皿に全部盛ってある。これだとお皿の数が少なくてすむし、洗うのも楽。忙しいランチどきには最適だ。急いで、でも、それなりに味わって食べた。これで600円。プラス200円でコーヒーもしくはチャイ(飲み放題)がつけられるらしい。
今回は慌ただしくかき込んでしまったけれど、次はもう少し味わって食べたい。メニューを見ると、ケレビスという焼き菓子やヨーグルト、シャーベットなどもあるようなので、デザートも食べようと思う。チャイも。
https://mesopotamiajp.jimdo.com
※1階でクルド手芸製品の販売も行っているらしい。
メキシコ料理の夕べ
縁あって各国料理の会というのに混ぜていただき、かつてメキシコに住んでいたTさんおすすめの、広尾にあるサルシータというお店に行ってきた。この日のメンバーは女性ばかり6名。
いただいた料理は以下のとおり(後日、Tさんが細かい解説を書いて送ってくださった)。
●サボテンのサラダ(Ensalada de Nopal)
サボテンを食べたのはたぶん初めて。山くらげのような食感。コリコリして美味しかった。
●タコス(Tacos)
トウモロコシ粉でできたトルティーヤ(トルティージャ)で具を巻いたもの。メキシコの国民食とのこと。Tさんの話では、メキシコ人家庭のキッチンには、トルティーヤ用のこんろがついているらしい。
ソース(サルサ)は3種類。トマト、タマネギ、青トウガラシ、コリアンダーがベースのサルサ・メヒカーナ(Salsa Mexicana)、緑トマト、タマネギ、コリアンダーなどで作るサルサ・ベルデ(Salsa Verde)、チレ・グアヒージョ(またはグアヒーヨ)というトウガラシ、トマトなどが材料のサルサ・グアヒージョ(Salsa Guajillo)。緑はワカモレかと思ったら、違っていた。どれもおいしかった。
●チレス・エン・ノガーダ(Chiles en Nogada)
独立記念日(9/16)のころに食べるごちそうで、いつもメニューにあるわけではないらしい。行ったのがたまたまその時期だったので、ラッキーだった。大きなチレ(トウガラシ)の肉詰めにクルミソースをかけたもの(Tさんによると、この日食べたのはピーマンだったかもしれないとのこと)。ソースの材料はクルミのほか、サワークリーム、クリームチーズ、牛乳など。白いソースにザクロの赤とイタリアンパセリの緑が映えて美しい。この3色はメキシコ国旗の色。
●モレ・ポブラーノ(Mole Poblano)
鶏肉にモレをかけた料理(わたしは鶏肉が食べられない、見るのもダメなので、写真は撮っていない)。モレは3〜4種類の乾燥チレ(トウガラシ)をベースに、チョコレートでコクを出している。
●コチニータ・ピビル(Cochinita Pibil)
豚肉をバナナの葉で包んだ蒸し焼き。トルティーヤに包んで食べた。
フリホーレス(Frijoles Refritos)という豆のペーストが添えてあった。Tさんによると、和食のお新香のごとく、いろいろなものに添えられているとのこと。メキシコ料理は豆が多いので、豆好きとしては非常にうれしい。
デザートは全種類頼んで、みんなでまわして食べた。今思い出しても顔がほころぶほど、楽しかったし、美味しかった!(でも、この食べ方、男性がひとりでも混じっていたらできなかったかも?)
●パステル・デ・トレス・レチェス(Pastel de Tres Leches)
コンデンスミルク、エバミルク、生クリームを使った、「ミルク3種類のケーキ」。
●フラン(Flan)
プリンのこと。固めで、スプーンですくっても崩れなかった。
●アロス・コン・レチェ(Arroz con Leche)
ラテンアメリカにはお米を牛乳で甘く煮たデザートがあることは、数十年前から知っていたけれど、食べるのは初めて。甘いお米だからといって、怖がることはない!
●アイスクリーム
ひとつだけ遅れて出されたせいもあるけれど、とにかく食べるのに夢中で、写真を撮るのを忘れた。
お店の雰囲気も料理も接客もすべてが素晴らしかった。また行こう。
メキシコ料理 サルシータ
薔薇の香りがするインドのお菓子
インドに行った方のお土産をおすそ分けでもらった(嫌いじゃないと言ったら、残りを全部くれた。どうやら、苦手な人が多かったらしい)。砂糖たっぷりで、手に取って口に運ぼうとするとぽろぽろ崩れてくる。そして、お菓子とは思えないほどの、強い薔薇の香り。
調べたら、Soan papdi というお菓子らしい。パッケージに rose という文字が入っているところをみると、これは薔薇の香料が入ったタイプということか。
ミルクたっぷりの紅茶と合う。家で少し食べたけれど、全部は食べきれないと思い、残りはこういうのが嫌いじゃなさそうな人たちが集まる機会に持参した。さすが好奇心が警戒心に勝つ方々、予想通りの売れ行きで、みなさん飛びつき、けっこう好評だった。残りは、こういうの大好きなの!とおっしゃっる方が、ご家族のお土産に持ち帰った。めでたしめでたし。 食べものがむだにならずにすむのはよいことだ。