チェコ料理でやまねこ多言語オフ
やまねこ翻訳クラブ20周年記念イベントの一環として、多言語オフを行った。多言語〜と銘打っているけれど、別に英語以外の言語の翻訳に携わる人たちの集まりなどではなく、いろいろな言語の文化など(食べものも含む)について、外国のおいしい料理を食べながら楽しく語り合いましょう!という会。それに、英語だって多言語のひとつなのだから!
四谷三丁目にあるチェコ料理店 だあしゑんか。4年前、coffee & gallery ゑいじうに行ったときにたまたま見つけ、「チェコ料理とビール」「ビールと絵本のお店」という案内、そして、なによりも「だあしゑんか」という店名に心をつかまれ、いつか必ず行く!と決めていた。
いつか絶対行く!という決意とともにそのとき撮った写真。当時はビルの2階にあった。
その後、行く機会に恵まれぬまま4年が過ぎ、店は今年の2月に現在の場所に移転。やまねこ20周年記念の多言語オフの会場を探していたとき、候補のひとつとして名前を挙げさせてもらった。多言語オフの世話人Fさんが前からだあしゑんかに行きたいと思っていたことを思い出し、偵察も兼ねて日曜日に不定期にやっているランチへ行き、すっかり惚れ込んでその場で予約を入れてくれた。Fさん、ありがとう!(ちなみにFさんはいっしょにメキシコ料理を食べにいったひとりであり、お土産でサルミアッキをくれた人でもあり、スモーガスボードで新年会をしたひとりでもあり、ブラジル料理を食べながら打ち合わせをしたひとりでもあり、一緒に羊の丸焼きを食べたひとりでもある。)
『ダーシェンカ』を読み直しながら、当日を楽しみに待つ。
さて、多言語オフ当日の6月16日(土)。まず0次会として四谷三丁目にあるコーヒー専門店 猫廼舎(ねこのや)に来られる人だけ集まった。そのときの様子をチラ見せ(こちらとこちら)。ケーキにもかなり心惹かれたけれど、このあと宴を控えていることを考えて、コーヒーのみ注文(「サビネコ」という名前の、少し渋めのブレンドコーヒー)。
コーヒーを飲みながらおしゃべりしたり、絵本を見せ合ったりしているうちに2時間が経過してあっという間に予約時間の18時となり、だあしゑんかチェコ料理店へ移動。
前のお店は大通りの2階にあったので、通りすがりに目に留まったけれど、新しい店舗は裏通りの地下1階。猫廼舎を出ると、チェコの旗が目に入る(写真は撮り忘れた)。
18時にちょうどくらいに店に入ると、すでに4名が来ていた。全部で10名。内装のかわいさにみんなテンションが上がり、写真を撮りまくる。
壁面をうめる絵本(原書もあれば、邦訳もある)。松濤美術館で開催された「チェペック兄弟と子どもの世界」のカタログもある(わたしも持ってるよ〜)。
拙訳書『世界食べものマップ』を発見!(※『世界食べものマップ』にチェコのページはないが、お隣のハンガリー、ポーランドのページはある。)
飾ってあるお皿や人形などもかわいい。
トイレの前の棚。お店のブログによると、月に1度、バックギャモンの例会が行われているらしい。どうぶつしょうぎの本も。
カトラリーを支えるダックスフント。赤白チェックのテーブルクロス。何もかもがかわいい。
まずは乾杯。ほとんどの人がウルケル樽生を注文するなか、アルコールがダメなわたしはジョージア(グルジア)産の文字に惹かれて、ミネラルウォーター(NABEGHLAVI ナベグラヴィ)を。発泡性。
この日の料理は定番のコースではなく、Fさんがお店の方と相談して決めてくれたもの。
前菜はフレビチキ(奥右、チェコ風オープンサンド)、ザワークラフト(手前右)、ウトペネツ(奥左、ソーセージの酢漬け。ちなみに「ウトペネツ」とは「水死体」という意味らしい)、カマンベールチーズのマリネ(手前左)の4品。みんな、「なにこれ、美味しい!」としか言わない(笑)。
1品目。ブランボラーク(チェコ風ポテトパンケーキ)。
タルタルソース風のものをつけて食べる。
チキンのシャシュリク(串焼き)。サワークリーム(たぶん)をつけて食べる。鶏肉はお礼を兼ねて(?)Fさんに進呈。
メインのビール煮込みのグラーシュ。クネドリーキが添えてある。グラーシュはハンガリー起源の料理(ハンガリーでは「グヤーシュ」と呼ばれ、『世界食べものマップ』にも載っている)で、チェコのソウルフードでもある。Fさんに何か食べたいものあるかリクエストを求められたとき、グラーシュ!と答えていたのだ。Fさんもグラーシュは外せない!と考えていたそうで、ふたりともたのしみにしていた。
クネドーリキはゆでて作るパン。発酵させたあと、焼く代わりにゆでるのだそうだ(厳密にはパンではなく、ダンプリング料理に分類されるらしい)。
デザートは「プルーンでチョコを包んだチョコ&プルーンのクネドーリキ」もしくは「バーボフカ(マーブル生地のチョコ風クグロフ)」の二者択一。
デザートメニューの可愛さに目を奪われてなかなか決められない。
「クネドーリキはさっき食べたし〜」という理由でバーボフカを選ぶ。クネドーリキを選んだ人、バーボフカを選んだ人、半々ずつだった。
飲みものはホットのコーヒーか紅茶の二者択一で、猫廼舎でコーヒーを飲んでいたので、わたしは紅茶にした。
紅茶(ミルク投入後)。カップも可愛い(カップはひとりひとり違う)。
クネドリーキ。メニューにある説明によると、「イチゴやプルーンなどをパン生地で包んでゆで、カッテージチーズとヨーグルトソースをかけた、お団子のようなお菓子」。2分の1個を分けてもらって食べてみた(お腹いっぱいで2つは食べられないという方がいて、Fさんとわたしとで半分こした)。つるつるもちもちして美味しい。
バーボフカは焼きたてで、ほんのり温かかった。こちらも美味しかった。お皿も可愛い(お皿もひとりひとり違った)。
おいしい料理と可愛い内装と楽しいおしゃべりで身も心も満たされ、「絶対また来る!」と新たな野望を胸に一同店をあとにしたのだった。
ちなみにお店に入ったのが18時、お店を出たのが22時過ぎ……。
四谷三丁目(特に裏通り)には個人経営の小さなお店が多くて、どれも興味深く、改めて散策してみたい。